お米の出来るまで
2004年(平成16年)        【田んぼのようす】

  
  田植えが終わってから稲刈りまでは、田んぼの見まわりが欠かせません。
  苗の成長具合やアゼからの漏水箇所の有無を毎朝見て回ります。

  水の管理やアゼの草刈、苗の成長に合わせた病害虫の防除などの仕事が稲刈りまで
  続きます。
   

浮き苗さし

  田植え機械でうまく植えられずに欠株になったところに手作業で補植します。
  一日中作業しているわけではありませんが、毎年一週間ほどかかるようです。



「田植え後13日目の田んぼ」
            



 田んぼに植えられた苗も17センチほどに
 なりました。
 根っこをみるとたくさんの新しい白い根が
 出ています。
  

「かえって風通しが良くなるかな?」

 ところどころ苗の植わっていないところは、
 一株ぐらいのときは大目に見ますが、上の
 写真の場合には補植しなければなりません。
         


「補植作業」

 腰を曲げての作業ですが、除草作業と比べ
 たらはるかに楽な仕事です。



除草剤散布(二回目)

  捕植作業が終わったあとは、多年草用に2度目の除草剤を散布します。
  除草剤を散布するのは、これでおしまいです。
  
 5月23日

 

「ダイナマン」

 多年草用として2回目に使った除草剤
 です。
 
 
 


  薬剤の散布量は、初期用と同じに一反歩
  (約1,000平方米) 当たり1キログラム
  散布します。



草取り

  除草剤を散布したからといっても、全く草取りをしなくても良いわけではありません。
  田んぼごとの状態や薬の散布時期、その後の水管理によっても除草の効果に違いが
  出るのですが、大したことがないと放っておくとたちまち田んぼ一面に雑草が繁茂して
  しまいます。
    
 田植え後30日目

 

「稲の株間に見えるのが雑草です」

 去年まで休耕していた田んぼは、いろんな
 雑草のオンパレードです。
 
 
 


  拡大すると見事に?雑草が生えている
  のがわかると思います。
  (左半分は雑草を取り終えたところです。)
 

 

田んぼのアゼまで行かないうちに、うしろのカゴが雑草でいっぱいになります。



いもち防除

   今朝は、ラジコンヘリ(産業用無人ヘリコプター)によるいもち病予防のための農薬散布
   が行われています。
   いもち病は、病気にかかる場所によって「葉いもち」、「穂いもち」などと呼ばれていて
   葉に多く発生した場合には、草丈が伸びなくなりひどくなると稲が枯死してしまうことも
   あります。また穂が出たときに穂首がいもち菌に侵されると穂に養分がいかなくなり
   不作の直接的な原因となる場合があります。
        
 6月14日


 「ラジコンヘリ(赤丸部分)による散布の様子です」

     一回目の今日は、「オリゼメート粒剤」を一反歩(約1,000平方米)当たり
     1キログラム散布しました。
     二回目は7月17日に「アチーブ粒剤」を一反歩当たり 0.75キログラム散布する
     予定となっています。 



中干しとみぞ切り

  田植えをしてからずっと水を張りっぱなしでしたが、一株あたりの茎数が25本くらいにな
  ったので水を落として田んぼの土が軽くひび割れするくらいに乾かします。
  「中干し」は地中のガスを抜いて稲の根張りを良くし、倒伏防止に効果があり、「みぞ切り」
  は「中干し」するのに無くてはならない作業です。
  溝切り機はエンジンで前の車輪を回転させて、後の溝切り板で田んぼに溝を切って行き
  ます。切り終わった溝をつないでおくと入水・落水を速やかに行うことが出来ます。
  「みぞ切り」はその後の水管理のうち、特に収穫時期の排水に効果があります。
        
 6月25日〜26日


「溝切り機」





  
 溝の間隔は15条から20条に一本の割合
 で行いますが、田んぼの状態や体調?に
 よって変わります。

 「みぞ切り後」



 
 田んぼの水は溝を伝わって流れていきます。



赤とんぼの羽化

  田植えをしてからちょうど50日目、「みぞ切り」の仕事をしていたら田んぼのあちらこちらで
  赤とんぼが羽化していました。
  赤とんぼは卵で冬を越し、田んぼに水が入った6月前後に卵からかえって「ヤゴ」になり、
  今頃になると羽化し、夏には涼しい山のほうに移動して秋になると再び田んぼに帰ってきて
  産卵します。
  近年、使用する農薬を減らしていることもあって、たくさんの赤とんぼの羽化を見ることが
  できるようになりました。

 田植え後50日目


 
赤とんぼ(赤印)が羽化しています。


  
 羽化した直後の様子です。


 
羽化してから少しすると羽が広がってきました。



 羽化した赤とんぼは羽が乾くと体の色も
 変わってきます。



稲こうじ防除

  稲こうじ病は、稲の穂に黒いかたまり(菌塊)が出来る病気で、発病するとお米の登熟歩合
  が低下したり、玄米の表面が汚損されることによりお米の品質にも影響を及ぼします。
  動力散布機に粉剤用の散布ホースをつないで薬剤を散布します。

 7月22日


 「ラブバリダボルドー粉剤」

       稲こうじ病の殺菌剤です。
  


  
  動力散布機に粉剤用の散布ホースを
  つなぎます。

 
「散布ホースを使って粉剤を散布する時は、妻の出番です」

    夏の暑い時期ですが、マスクやゴム手袋をつけての作業になります。
    薬剤の散布量は、一反歩(約1,000平方米)当たり3キログラム散布します。



お米の花が咲きました

  田んぼのあちらこちらでは稲の穂が出てきました。
  穂のひとつひとつのモミから、白い小さな花か咲いています。
  花の咲いている時間は一時間から二時間くらいと言われていますが、花の開く瞬間は
  気をつけていないと見逃してしまいます。
  もう少しすると田んぼ一面に稲穂がなびきます

 田植え後90日目(8月2日)



 穂の出ている様子です。



  
 穂のひとつひとつのモミから、白い小さな
 花か咲いています。



カメムシ防除

  この作業は出来ればしたくはなかったのですが、宮城県の病害虫防除所からカメムシ類
  の大量発生が予想され、食害による斑点米の発生が多発する恐れがあるので防除を
  徹底するようにとの「警報」が出されたことを受けて、動力散布機に粉剤用の散布ホースを
  つないで薬剤を散布します。
  カメムシ類の被害の受けた斑点米が混じるとお米の等級に響きますし、白いご飯に虫に
  食べられた着色したお米が混じったご飯は見た目でもおいしくありません。
  
 8月7日


 「スミバッサ粉剤」

     カメムシ類の殺中剤です。
     「稲こうじ防除」と同様に夏の暑い時期ですが、マスクやゴム手袋をつけての作業
     になります。
     薬剤の散布量は、一反歩(約1,000平方米)当たり3キログラム散布します。
    


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『おいらの田んぼ』  澁谷 啓
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